White Album2の考察でございます。
全てが終わって他の方の感想や考察を色々と見ていると様々な意見がありました。
特に多かったのは雪菜エンドは丸戸作品らしい終わり方で、かずさエンドはWhite Albumらしいという事。
私自身は前作のWhite AlbumをプレイしていないのでかずさエンドがWhite Albumらしいという意見は良くわかりませんでした。
それでも読んでいると自分が気がつかなかった部分などがあって楽しかったです。
今回は他の方の感想で気がついた部分も含めて書いてみたいと思います。
かずさエンドについて。
最終的に春希と結ばれ幸せになりました。が、私としては本当にあれでよかったのだろうかと思います。
理由は二つ。一つ目は母親曜子の事。
曜子は白血病を患い、最期は産まれた地日本で迎えたいという強い要望があり、かずさと一緒にウィーンへ行くことは出来ませんでした。
病気で長距離移動は難しい事も理由にあるでしょう。
かずさにとって憧れでありライバルであり愛すべき人でもある曜子が白血病だと判った時は取り乱しました。
その時はまだ春希が決断していない時だったので、愛する人がいなくなってしまう事に絶望していました。
春希はかずさの事が好きでありますが、根っこはお節介。決断した時、それを実行に移す行動力があります。たとえ全てを捨てることになる決断でも。
そんな訳あって雪菜と別れ、かずさを選択しましたが、同時に曜子との物理的な別れを選択した事になります。
物理的はその名の通り会えなくなるという事。日本を禁忌の地にした二人が再び日本の地を踏むことはありません。
その為やり取りは電話やメールくらいになります。ここら辺は曜子と確執が生まれたわけではないので良いでしょうが、
やはり死に目に会えない、子供に会わせる事が出来ない等、それだけでは済まない事が起きてくるはずです。
それすらも春希がいることによって乗り越えられると言われたらもうどうしようもありません。
曜子自身はかずさを愛していて、かずさの為になら春希の生活も利用するほどです。二人がウィーンへ行くという話を聞いてもそれを咎めるわけでもなく認めました。
ここら辺は自分より娘の幸せを優先しましたが、やはり側にいてもらいたかったのではないでしょうか。
かずさも曜子をウィーンの病院へ移ってくれるように頼んでいましたから。
そう考えると、ベストは二人で日本に残り曜子の側にいるか、曜子がウィーンへ来るか、だと思います。
前者は春希が周りの幸せを、特に小木曽家に対しての仕打ちが酷かったため不可能で、後者は冒頭に書いたように長距離移動が難しい事と曜子の要望により不可能。
なので選ばれた結末は「最もではないが、かずさが幸せになる選択」だったのじゃないかと考えます。
二つ目の理由は雪菜の事。
エピローグでは飛行機での旅立ちの時、春希は日本での想い出を振り返り涙します。
特に愛していた雪菜と別れた事はとても辛かった事でしょう。それを見てかずさは「今だけは泣いてもいいんだ」と諭します。
そして二年後にあのメールが来るまで、二人は雪菜の事は話お互いに避ける様にしていたようです。
かずさは親友になれた相手を二度も深く傷つけ裏切り、幸せになった。春希も愛した人を二度裏切り塞がる事がない傷を付けたと思っていた。
それは二人が背負っていく罪の意識であり、生涯付いて回ります。またしても「それでも幸せだから」と言われたらどうしようもありません。
しかしそんな陰りを残したまま過ごす日々が本当に幸せなのでしょうか。確かに愛する人が側にいて心も身体も触れ合える日々が続けられればそうかもしれません。
でも、忘れることの出来ない、忘れてはいけない「かけがえのなかった人を裏切った」罪悪感を幸せの中にある状態で、憂いなく幸せといえるのだろうか。
ccで雪菜を選ばずに他のヒロインと結ばれた場合はそのうち雪菜の事も忘れ、思い出となり幸せな日々が訪れるでしょう。
しかし、かずさといる限り雪菜を忘れることはありません。言い切れる自信としては春希は雪菜と過ごしている間もかずさを忘れることは出来なかったからです。
日本にいる時、雪菜とかずさが二人で話し合うことはありました。ちょっと良く覚えてませんが、謝罪と春希と共に進むことを告げていたはずです。
雪菜からしたら突然だけど、予想していた事態でした。その時は確か春希は雪菜に事情を説明していません。
私が思うにかずさが行うべき事は雪菜に認めてもらう事だったのではないかと思います。
かずさは別に雪菜が嫌いというわけではなく、むしろ好きだから裏切るのが辛かったはずです。今まで避けていたのも罪悪感から来るものでしょう。
が、春希に関してだけは譲れなかった。雪菜が春希を失う代償として、自分の大事な「ピアニストとしてのかずさ」を失う覚悟を持ってあの行動に移りました。
しかしそれは雪菜に無意識に止められます。もしあの時止められなければ、春希も雪菜も共に悲しむことになったでしょう。
二人が幸せになるためには二人にとって大切だった人を深く傷つけなければいけない。
そういう意味では「White Album」らしいのかも知れませんが、それによって手に入れた幸せが本当の幸せだとは思えないのです。
これは私が雪菜派であるせいかもしれません。しかし、そうでなくとも春希とかずさが何の憂いもなく幸せに過ごせるとすれば、真に雪菜からの祝福が必要だったと考えます。
そもそも、プロポーズしておいて反故する時点であれなんですがね。
エピローグについて。
春希との別れの際、雪菜は二人を祝福する言葉を伝えましたが、引き換えに心に大きな傷を受けます。
それは時間と周りの人々によって癒される、春希には癒せない傷。結果二年後には二人に歌を歌う姿をビデオで送ることになります。
これについての憶測は様々あります。歌う曲が「Powder snow」であることもあり、まだ春希を愛している、諦めていないという憶測。
歌を通じてウィーンに行くよなど、再会を込められていると捉える意見もありました。なので三人の物語は終わらない事を告げている可能性もある。
この歌が終わった後の二人の反応のが無いので色々考えられます。
今まで触れていなかった現実に驚き、再び罪の意識を深めるのだろうかなどなど。
確かにそういう見方も出来ますね。だけど私としてはそうではなく「二人を祝福する」という風に捉えてみます。それは雪菜らしいと思うからです。
五年前、icの時に春希に裏切られ、それ以降雪菜は歌を忘れます。それは楽しかった三人の時間と裏切られた日を思い出し、春希を嫌いになってしまうかもしれない為です。
裏切られてもなお春希を忘れられない雪菜にとってはそうすることが自身を守ることだったと思います。
今回はプロポーズされ幸せになれる所から一気に不幸のどん底まで叩きつけられました。
明確な描画はありませんが、春希と結ばれた二年間にも歌が溢れていたと思います。
かずさにとってピアノが失うことが出来ない存在ならば、雪菜にとっては歌がそれになります。
二年前は春希によって凍っていた心をゆっくりと溶かされ、再び歌うことができるようになります。なので今回も歌を忘れてもおかしくは無かったと思います。。
あの後いつ頃から歌とギターを練習していたのかは判りませんが、そういう経緯を知っている春希に対して歌を送るというのは「平気だよ」というメッセージでもあったのではないかと考えられます。
雪菜の人柄として相手を思いやることがで、それは春希がかずさの為にすべてを清算している最中にも垣間見れます。
まぁあれは周り全体に対してというより、裏切った春希に大して思いやっていたと思えますが。
春希に裏切られても周りから春希を庇おうとしていたのは、糾弾により春希が傷つくことが耐えられなかったからではないでしょうか。
確かに春希は責められるだけの事をしました。しかしそれは雪菜にとっては二人の問題であって周りがとやかく言うことでは無いと思っていたのでしょう。
他の見方をすれば、周りが追い込むことにより元に戻れなくなる心配もあったでしょうけども。
別れの後、二人に連絡を取っていないしもう二人は雪菜の事を忘れているかもしれません。しかし雪菜の洞察力というか、春希の事を理解する力は凄まじく、
ストラスブールの後での挙動が変わったことにさえ気がつきました。そして自身に向けられるはずの気持ちがかずさに向かっていることも。
そこまで春希を深く理解している雪菜であるからこそ、「二人が自分の事を引きずっている」と考えていたのかもしれません。
だからこそ、歌が歌える状態である事を伝える為に送り、楽曲を「Powder snow」にしたのではないでしょうか。
だから私はこの歌に込められた想いとしては「二人とは別れたけどしまったけど、憎んでないよ。二人とも大切な人だよ」と捉えます。
実際春希を愛してるし、かずさも嫌いではなくむしろ好きであるはずです。なので二人が唯一憂いている雪菜への想いを昇華させたいと思ったのだと考えます。
でなければ送るはずも無いですし、わざわざ雪菜の誕生日に。いじわるなところもあるので、復讐という可能性も捨て切れませんけど、最後は二人を祝福したかったのではないでしょうか。
全てを得る雪菜エンドの対極にある、全てを捨て一つを取るかずさエンド。
かずさエンドの割りには雪菜に思いいれが強すぎて、雪菜の健気さを再認識してしまうようなエンドになってしまいました。
ハッピーエンドより、全て解決していないけど救いがあるような物語は嫌いではありません。
だけどそれは好みの問題であり、そうでなかったから駄目だというわけでも無いです。だからこのエンドも嫌いではありません。
でも、本当に二人は幸せなのだろうかと思った次第です。
長文を書くのは難しいですね。伝えたい事が伝われば良いですが・・・。
こういうとき自分の文章力というのがどの程度のものかを思い知ります。